札幌地方裁判所 昭和50年(ワ)300号 判決 1975年12月26日
原告兼反訴被告
石田エミ
右訴訟代理人
高野国雄
外一名
被告兼反訴原告
林雄一
右訴訟代理人
飯野昌男
主文
一、被告は原告に対し別紙物件目録記載の土地について札幌法務局静内出張所昭和四六年二月二六日受付第七八五号所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。
二、反訴被告は反訴原告に対し別紙物件目録記載の土地につき北海道知事に対して北海道旧土人保護法二条二項の規定による許可申請手続をせよ。
三、原告のその余の請求、反訴原告のその余の請求をいずれも棄却する。
四、訴訟費用は本訴反訴を通じ、これを各自の負担とする。
事実
第一 当事者の求める裁判
(本訴)
一、請求の趣旨
(一) 被告は原告に対し別紙物件目録の土地について札幌法務局静内出張所昭和四六年二月二六日受付第七八五号所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。
(二) 被告は原告に対し別紙物件目録の土地を引渡し、かつ昭和四六年四月一日から引渡済に至るまで一カ月一〇〇〇円の割合による金員の支払をせよ。
(三) 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決
二、請求の趣旨に対する答弁
(一) 原告の請求を棄却する。
(二) 訴訟費用は原告の負担とする。
との判決
(反訴)
一、請求の趣旨
(一)(主位的請求) 反訴被告は反訴原告に対し別紙物件目録の土地につき北海道旧土人保護法第二条二項の規定による許可申請手続をせよ。
(二)(予備的請求) 反訴被告は反訴原告に対し別紙物件目録の土地について札幌法務局静内出張所昭和四六年二月二六日受付第七八五号所有権移転登記の抹消登記手続および右土地の引渡と引換えに金九万八〇六六円の支払をせよ。
(三)反訴費用は反訴被告の負担とする。
との判決
二、請求の趣旨に対する答弁
(一) 反訴原告の請求をいずれも棄却する。
(二) 反訴費用は反訴原告の負担とする。
との判決
第二 当事者の主張
(本訴)
一、請求原因
(一) 原告は、アイヌである原告の父訴外亡鈴木富三郎が北海道旧土人保護法一条により国から無償交付を受けた別紙物件目録記載の土地(以下、本件土地という。)を相続により取得し、昭和四四年六月一九日所有権保存登記をした。
(二) 被告は本件土地につき札幌法務局静内出張所昭和四六年二月二六日付受付第七八五号をもつて同月一七日売買を原因とする所有権移転登記を有し、本件土地を昭和四六年四月一日から占有使用している。
(三) 右移転登記は後記のとおり無効であり、原告は売買もしたことないので、請求の趣旨(一)記載の抹消登記ならびに昭和四六年四月一日以降、使用料相当損害金が一カ月当り一〇〇〇円生じているので、本件土地の引渡と引渡に至るまで趣旨(二)記載のとおりの判決を求める。
二、請求原因に対する答弁
(一) 請求原因(一)の事実中原告が本件土地を相続により取得し、昭和四四年六月一九日所有権保存登記をしたことは認めるが、その余の事実は知らない。
(二) 同(二)の事実は認める。
(三) 同(三)は争う。後記知事の許可がなくても、不許可確定前は不法占有ではない。
三、抗弁
被告は原告から本件土地を売買により取得したものである。
即ち、被告は、原告が本件土地の売買につき代理権を授与した原告の長男訴外石田信太郎と昭和四五年一二月三一日本件土地を代金五万五六六六円で買う約束をし、同日四万円、昭和六年一月三一日三〇〇〇円、同年三月九日一万二六六〇円を支払つて本件土地の引渡を受けたものである。
仮に、原告が同訴外人に右売買の代理権を授与していなかつたとしても、原告は昭和四五年一二月頃、本件土地の権利証・委任状および印鑑証明書を同訴外人に交付し、外人に交付し、同訴外人はこれを原告に提示したものであるから、原告は被告に対し代理権授与の表示をしたものである。
仮に右にあたらないとしても原告は同訴外人に従前から本件土地を含む全財産につき、これを管理処分する権限を与えており、右売買まで代理権を与えていなかつたとしても、同訴外人が権利証等を被告に提示したことにより、被告は同訴外人に代理権があるものと信じ、そのように信ずることについて正当な理由を有するものである。
ところで本件土地については北海道旧土人保護法二条の制限がある旨の主張があるが、契約当時原告は一切使用しておらず、地目は畑となつていたが沢の両側にあるやせ地で既に農地としての現況を全く欠いていたものであり、原告は昭和四六年二月一〇日地目を畑より原野に変更し同月二五日その旨の登記もなくされているものであつて、北海道旧土人保護給与地の目的である旧土人に土地を与えて営農をすすめこれを生活の基礎とさせる前提条件をすでに欠いていたものである。北海道旧土人保護法一条、三条、旧四条は土地が農地であることを予定されており、このような立法内容・目的からして同法の対象地は現況が農地であることに限定されるものである。
仮に農地に限定されないとしても、右制限は、旧土人が営農によつて生活を安定されうるように国家財産を下付したものに対する法的規制であつて、目的達成のために必要かつ合理的規制であるかぎり、憲法二二条等に牴触しないものと言うべきであるが、同法と検討すると必ずしも目的達成のために必要かつ合理的な規制とはいえないものであり、個人の経済的活動の自由を制限し、取引の安定を害するものである。
即ち、人的面からとらえると同法は北海道旧土人を保護の対象としているが、そもそもその名称において奇異であり、この点は別としても、給与地所有者は時の経過とともに婚姻、養子縁組、相続等により種々変動し、従つてその保護の必要性もまた変るのに何らの限定しておらず、本件土地も下付された者の相続人のさらに相続人であつて、民法九〇条によつて保護されることは格別、本法のような特別法で保護する必要性はなく、期間も限定されないのは不合理である。さらに物価面からとらえること、下付地は前述のおり既に農地としての実質を欠くのに、これをも制限の対象とするのは不合理である。又、規制の実態面からとらえると、所管は道本庁の場合はウタリ福祉係であつて係員は庶務係兼務である。許可基準としては「北海道旧土人保護給与地譲渡及び物権設定の許可事務処理要領」があるが、許可の審査は書類審査のみであり、許可申請があつた場合は実際上不許可になることはない。この意味から同法二条二項の許可制は現実には全く実効性を欠くものである。
同法による処分の制限については、本件土地について全く登記を欠缺していたため、法律上許可を要するものであることに全く気付えない場合において、被告のように本件土地の引渡を受けて植林し多大な利害関係を有するに至つている場合にも右許可を要すると解するのは取引の安全を無視するものであつて、登記の有無に拘らず同法二条の制限があるとするのは著しく法の体系を崩すものであり、少くとも登記がされていなければ右制限は主張しえないと解すべきである。
四 抗弁に対する認否
訴外石田信太郎が原告の長男であることは認めるが、その余の事実は否認する。原告は従前から同訴外人をあまり信頼しておらず、同訴外人から経済的な援助を受けることなく、生活保護を受けて生活しているものであつて、本件土地の権利証も別居している娘のヨリ子に預けていたもので、印鑑や権利証を同訴外人に預けたことは一度もない。
仮に売買契約が成立したとしても本件土地については、譲渡または物権の設定行為については北海道旧土人保護法二条により北海道知事の許可がなければその効力を生じないものであつて、右売買契約は当然無効である。
被告は同法二条の許可制自体の違憲性を主張するものの如くであるが、これは立法政策および行政運用の当然の問題であつて、許可制そのものを違憲にさせることがらではない。
もともと、北海道はアイヌ(旧土人)の土地であつたが、明治政府が明治初年にこれを全部アイヌから没収し、その後北海道旧土人保護法による無償下付という形で、一戸に一万五〇〇〇坪以内を返還したというのが実情である。
同法による保護は登記に記載されていなければ効力を有しない旨の主張は法的根拠を欠き、農地法上も現況主義をとつており必ずしも登記簿で公示されているわけではない。とくに、本件土地の所在する静内、日高地方はアイヌの下付地が多いのであるから、取引に入ろうとする者は知事(管轄支庁長)に対し、事前に下付地であるかどうかの照会をすれば、同法による処分の制限の有無を知ることができるのである。
五、再抗弁
仮に被告が訴外石田信太郎に原告から代理権を与えていると信じていたとしても、原告はもとより同訴外人にも無断で被告側の者が印鑑証明の申請、印鑑証明書の交付を受けていることが明らかであるので、右信ずることは重過失がある。
六、再抗弁に対する認否
否認する。
(反訴)
一、請求原因
(一) 反訴原告は本訴三、抗弁で主張のとおり反訴被告との間で、本件土地について売買契約を締結した。
(二) 右売買につき北海道旧土人保護法二条二項の知事の許可が必要であるとした場合、右契約上の義務として反訴被告は反訴原告に対し許可申請手続をすべきであるのでこの履行を求める。
(三) 仮に右売買契約が無効であるとすると、反訴被告は反訴原告から本件土地代金五万六六六円を受領し、かつ、反訴原告は本件土地にトドマツ、カラマツ等を植林し四万二四〇〇円の出捐をしているのでこの金員を不当利得として返還を求めるともに、これは反訴被告主張の抹消登記及び土地引渡と同時履行の関係に立つているのでこれと引換給付を求める。
二、請求原因に対する認否
請求原因(一)(二)の事実を認否する。同(三)の事実中反訴原告が本件土地に四万二四〇〇円の費用を投じて植林したことは認めるが、その余の事実は否認する。
第三 証拠関係<省略>
理由
一原告兼反訴被告(以下、単に原告という。)が、本件土地を相続により取得し、昭和四四年六月一九日所有権保存登記をなしたこと、現在被告兼反訴原告(以下、単に被告という。)が原告主張の所有権移転登記を有していることおよび本件土地を占有使用していることは当事者間に争いがない。
二そこで原告と被告との間に売買契約が成立している否かについて判断する。
訴外石田信太郎が原告の長男であることは当事者間に争いがない。
<証拠>によると、
原告は、訴外信太郎、訴外ヨリ子の二人の子がいるが、娘の訴外ヨリ子から本件土地を贈与してほしい旨要望され、これに応じて同訴外人に本件土地の権利証を交付していた。この事情を知つていた訴外信太郎は、交通事故を起した息子のために年末をひかえてどうしても金が必要になり、訴外ヨリ子から本件土地の権利証の交付を受け、これをかたに金策しようと被告方を訪れた。被告は当初本件土地を買う意思はなかつたが、昭和四五年一二月三一日訴外信太郎・息子・同訴外人の娘婿の三人から強く要請され、これに応ずることとし、同日夕刻、静内町字青柳町の荒井隆久司法書士のところへ四人で赴き、同司法書士に同日付で次の趣旨の売買契約書を作成してもらつた。
本件土地の売買代金は五万五六六六円とする。
代金の支支払時期は本契約と同時に四万円、残金は所有権移転登記完了と同時に支払う。
所有権移転登記手続費用は売主、買主で切半する。
昭和四六年一月三一日までに売主が買主に七万円を支払つたときは買戻しをすることができる。
右売買契約書の売主は原告であり、訴外信太郎がその代理人として記載され、捺印されている。
被告は訴外信太郎が原告から右売買の代理権権を与えられているか否かについて、原告本人には確かめなかつた。
しかし訴外信太郎は原告の長男でありかつその家族もそろつて懇請に来たので、代理権あるものと信じて取引に応じ、右約定に従い即日訴外信太郎に四万円支払つた。
右売買による登記手続関係は一括して同司法書士にまかされた。
昭和四六年一月三一日訴外信太郎は被告のところを訪れ、金員を要求した。残代金は登記完了時であつたが、被告はこの要求を入れて同訴外人に三〇〇〇円支払つた。
同訴外人は土地の売買代金であることを明記してある当初の四万円の受領の際うけ渡された領収証の裏面に、右三〇〇〇円の領収を書いた。
昭和四六年三月九日被告は荒井司法書士から土地代残金一万二六〇一円の領収書を受けた。
ところで、原告は目・足が不自由で国から生活保護を受けて生活し、特段訴外信太郎から経済的援助は受けていなかつた。
前記契約後しばらくして訴外信太郎は原告に、自分の息子のために被告から金策した事情を話した。
その際、被告は同訴外人を非難せず、これを容認し、「孫のことだからしようがない。頑張つて返さなければだめだ。」と言つて同訴外人をはげました。
被告は登記完了後、本件土地に植林をはじめたが、本訴提起に至るまで約三年半経過するも、原告および訴外信太郎、訴外ヨリ子らから異議を述べられたことはなく、金銭の返還の申出も受けたことはなかつた。
との各事実を認めることができる。
被告は、原告が本件土地の売買までの代理権を訴外信太郎に与えた旨主張し、委任状を証拠として提出するが、<証拠>に照らすと、右委任状が原告の意思に基づいて作成されたことを認めることは困難であり、被告の右主張を採用することはできない。
しかしながら、原告は本件土地を娘である訴外ヨリ子に贈与する意図で権利証を同訴外人に交付しているのであるから、同訴外人に右土地の包括的な処分管理権限を与えたものと理解され、はたして同訴外人が売買することまで容認して兄の訴外信太郎に権利証を託したのかは判然としないが、少なくとも原告の孫のために必要な金策を受けるために権利証を担保とすることに同意して交付したものと認めるのが相当である。このことは特に原告の意図と反することとも思われず、事後的にも原告は承認している。
そうすると訴外信太郎には訴外ヨリ子を介して原告から本件土地を担保とする基本代理があつたものというべきである。
そして被告が訴外信太郎に売買の代理権限があると信じて取引に応じたことは前認定のとおりであり、これに本件土地の権利証を同訴外人が持参していること、金策の必要性が原告の孫のためであること、訴外信太郎は原告の長男にあたること、大晩日に持ち込まれて十分本人に確認する余地がなかつたことなどの事情を考慮すると、被告が右のように信ずるには正当な理由があると認められる。
原告は被告に重大な過失がある旨主張するが、これを認めるに足りる証拠はない。
よつて、原告は被告に対し売主としての責任があると言わざるをえない。
三次に原告は、本件土地につき北海道旧土人保護法二条の制限があるので、右売買契約は無効である旨主張する。
そこで以下判断する。
(一) <証拠>によると次の各事実を認めることができる。
本件土地は、旧土人である鈴木富三郎が明治三六年一一月一一日同法一条により国から無償下付され、同法三条による没収を免れた土地である。したがつて同法二条二項の対象となつている土地である。地目は前記売買契約当時畑であり、古くはひえ、あわなどが作られていたが、その後は耕作する者もなく放置され、現況は原野となつていた。
鈴木富三郎は大正七年一一月二六日死亡し、本件土地はその家督相続人鈴木富之助に推続されたが、同人の死後鈴木富三郎の二女で右富之助の妹にあたる原告に相続された。
昭和四四年六月一九日付で本件土地は原告に所有権保存登記がなされたが、登記簿上同法二条の制限がある旨の登記はない。
(二) ところで、北海道旧土人保護法は明治三二年に制定公布され、同法施行規則および規則四条の実施命令として「北海道旧土人保護給与地及び物権設定の許可事務処理要領」がある。
同法の制定過程における政府委員の趣旨説明では、旧土人は、
「無智蒙昧の人種なるを以つて生存競争の結果年々減少の傾向あり。……当時其の智識幼稚にして利益は内地人に占奪せられ漸次其の活路を失ふ傾あるを以て無側にて土地を下付し耕作に導くの精神にて本案を提出せり、要するに一は内地人の侵害を防ぎ一は渠等に産業の途を得せしむるの目的なり。」としている。
そして無償下付の対象となる旧土人は戸籍上と記載され他と区別されていた。
旧土人という呼称は、右にみたように人種的範疇をもうけてその能力を一般的に著しく劣るものとしている点において蔑称としてのひびきがあり、人種的差別として憲法一四条に照らし問題がないわけではない。
しかしながら同法一条は生活困窮に立ち至つた経済的弱者に保護を与え、その生活の維持をはかろうとするものであり、同法二条はこの目的の達成のために必要な制約を無償下付した土地に限定して加えるものにすぎず、特に同法二条二項の制限は右許可事務処理要領からみても極めて控え目な必要且つ合理的な最小限度の制限にすぎないので、右法の実体が旧土人を無理矢理営農にしばりつけ人種的差別をするものとは認めがたい。
そうすると呼称やその取扱いについては多少の問題はあるが、これをもつて直ちに憲法違反ということはできない。
(三) 次に本件土地について、同法二条二項の北海道知事の許可を受けていないことは当事者間に争いがない。
そこでこの許可を受けていないことが私法上の契約に及ぼす影響が問題となる。
当裁判所は、本件の場合、それは売買契約を直ちに無効とするものではなく、許可が降りることを停止条件とする売買契約であつて、許可があるまで物権変動が生せず、不許可になつた場合に右契約が無効になるものと解するものである。
けだし、同法二条二項の対象となる土地については、下付の年より一五年を経過しているものであつて同条一項の厳格な制限がはずされており、かつ一たび相続以外の原因で所有権の移転があつた場合には知事の許可すら不要になるものであるから、知事の許可に私法上の契約をすべて無効ならしめる程の強い意味を持たせることはできないからである。
被告は同法二条二項の制限の登記のないことをもつてこれを主張しえない旨主張するが、公法上の制限をすべて登記簿に記載しなければ主張しえないとの法理なく、確かに取引の安全は多少犠牲にはなるが、登記の対抗力の問題とは別個に解すべきである。
四(一) 原告は本件土地の所有権移転登記の抹消を消を求めているところ、右に述べたとおり物権変動はいまだ生じておらずしたがつて原告にいまだ所有権は帰属しているので、右抹消を求めることは理由がある。
(二) 次に原告は被告に対し本件土地の引渡と不法占有による控害金の支払を求めているが、前記のとおり許可の持つ意味は極めて弱いものであり、かつ前認定のとおり本件土地は放置され原告の生活維持ないし収入源にもなつていなかつたのであるから、同法二条二項はこのような土地が任意引渡されることも全く禁止しているとまでは理解しがたく、少くとも不許可になるまでは前記売買契約の存在をもつて売主の引渡請求を拒み得るものと解するのが相当であり、その占有が直ちに違法性を帯びる程の反社会性があるとも認めがたい。
よつて原告のこの部分の請求は理由がない。
(三) 被告はその反訴請求において同法二条二項の北海道知事の許可申請手続を求めているところ、前認定のとおり原告には本件土地の売主としての責任があるので、被告のこの請求は理由がある。
(四) 被告は原告に対し不当利得返還請求をしているが、前記停止条件付売買契約が認められる以上、この部分の請求は失当である。
五よつて原告の被告に対する本訴請求および被告の原告に対する反訴請求は右四で述べた限度で理由があるので認容することとし、その余はいずれも失当であるから棄却することとし、訴訟費用の負担については民訴法八九条、九二条にしたがい、主文のとおり判決する。
(佐々木一彦)
目録<省略>